プレイ時間
2021年5月30日~6月2日
14.4時間でクリア
実績解除は23/60なのでかなり低め
ゲームシステム
選択肢によって過去・未来・現在が変化していくタイムリープ型アドベンチャーゲームですが2週目要素は無し。
選択肢を選んだ結果、主人公が死亡してしまうゲームオーバーがないため、ストレスがありませんでした。
まるで米国連続ドラマを見ている感じで進められたので面白かったです。
エンディング
最後で2つの結末を選択するのですが、そこに至るまでの選択によって発生する第三のエンディングがあるわけでもないので、1周で終了。
ただこの2つのエンディングが曲者で、どちらを選んでも正解のように見えて、制作者が意図したものは片方っていう内容です。
これはやっちゃダメだと思うんですよね……。
クロエを犠牲にする
物語のキーである青い蝶が出てくる
最後のマックスの顔が正面を向き、微笑んでいる
エンディングBより1.8倍ほど長く、シーンがいくつもある
それまで使われてなかった「Foals」という歌が流れる
アルカディア・ベイを犠牲にする
看板が崩れて「DIE」になっている
最後のマックスの顔が横顔で、微笑んでいるか微妙
エンディングが短い
エンディングで流れる「Obstacles」のさび部分の歌詞が「We were younger.」が繰り返されている。和訳すると「私たちは若かった」。だいたい、若気の至りで馬鹿なことをした、って意味でつかわれることが多いような。日本語でも「若かったんだよ」というと、だいたい同じ意味です。
これだけ差があるのにどっちも正しいですよ、ってのは厳しいです。
2パターン選ばせるならどちらも正解になるよう作っておいて欲しいです(全世界のゲーム制作者様へ)
私の選択
でも、私はアルカディア・ベイを犠牲にする選択肢を取りました。
なぜかというと、クロエがあまりにも報われなさすぎる。
マックスが引き起こしたバタフライ・エフェクトを積み重ねた結果、大災害が巻き起こされるので、この物語は何かを犠牲にしないと終わらない、クロエを選んだ方が犠牲が少ないのは理解できるんですけどね……。
でもこのときのクロエを見捨てられるのか、ということです。
エンディングまでたどり着いたプレイヤーにはクロエとの思い出がありますが、時間を巻き戻したクロエには記憶がありません。ネイサンに撃たれ、かつての親友のマックスとは再会することもなく、真相を何も知らずに死亡します。
もともとのクロエの境遇も行き詰っており、親友のレイチェルは失踪、本人に特に才能があるわけでもなく、明るい未来があるわけでもないので、「合理的に」選択するならクロエ選んだ方が最善でしょう。
逆に主人公マックスは写真の才能があり、将来有望です。友達もそれなりに居るし、好かれている異性の友達もいます。 二人の接点は幼いころに友達だった、ということだけ。
そう、クロエはマックスにとって過去でしかないんです。
マックスはクロエがいなくても生きていける。
それでも、クロエを選べるのか。
それが、アルカディア・ベイ犠牲エンドなんだと思います。
アルカディア・ベイ犠牲エンドは間違いなのか
制作者としてはクロエ犠牲エンドが正しいであろうというのは、上記に述べた2つのエンドの違いからもそうですが、他所のレビューを見ていても同様のようです。
でも、クロエ犠牲エンドで流れる「Foals」の歌詞もクロエはマックスの脳裏で生き続ける、過去の存在として歌っている印象です。
対照的に、アルカディアベイ犠牲エンドの「Obstacles」は、友達だった過去を歌いつつも、これからは一緒に生きようとしています。
また、アルカディアの意味は「理想郷」。
「Obstacles」の歌詞のように、嵐を潜り抜けて、理想郷を壊して2人で旅立つ、それが大勢の犠牲の上に成り立ったとしても。それがアルカディア・ベイ犠牲エンドではないのかと。
個人の好みなのかもしれませんが、私はこちらのほうが好きです。セカイ系的エンドというか。